不可思議事件簿、落とし物、中間報3、ATMカナダ

その2、ATM、カナダ

ここ数日、落とし物に関する考察を進めるつもりが、お宝発見物語りになっているのは、お許し頂きたい。

今回は、カナダでのお宝話しを届けてみたい。

あれは、遡る事10年程にもなろうか、、

カナダ出張へ出掛けた時の出来事だ。

到着から3日間、仕事は順調に進み、私の役割はほぼお終い。後は、明日土曜日のゴルフと日曜日の市内視察(=観光)を残すのみと言う状況。

昼食も済ませ、此処からの他人の話しなんぞ興味ゼロ、早く、はやく、速く、終わってくれ〜ッ、と強めの念を飛ばす。

因みに、このいかしたスキル、強く飛ばし過ぎると、真剣に聞いてますよ〜感が増すから注意が必要だ。

相手が念違いを起こして調子に乗ってしまう上に、己がエネルギーを使い過ぎないさじ加減も要求される。

今回は、昨夜の懇親会でたくさん目に飲ませて置いたビールとウイスキーが効いたか、念を使う必要が無い程、従順な感じで短時間トークにしてくれている。

この下りが、回り回って運命的な出会いを演出するのだから、不思議がってばかりもいられない、重要なのだ。

ま、続けよう。

カナダ、バンクーバーの華の金曜日、予定より早く終了してくれて、皆ハッピー顔だ。

とにかく、現地スタッフに安堵の表情が見てとれる。

そうか、分かったッ。

ビールもウイスキーも関係なかったのか、、

彼らの、大量の、念のせいだッ。

迂闊だった。念を飛ばしているのは、私だけでは無かったのだ。

この事に気付けただけでも今回の海外出張は大成功だ。

さて、

金曜日は、仕事終了後に皆で食事とキャバクラ、カラオケ、(好き者はストリップバーのオプション有り)、そしてカジノで合流して一勝負。

まあ、世の奥様連中が想像している通りの単純明快さがある、皆で出張紳士的な行動パターンを乱さぬ様に心がけている事をご理解いただきたい。

ここで、話しが少し逸れる。

仕事後の親睦会は、当然皆勤賞を誇る私だが、今回は特別な事情があり、前半戦(ストリップ辺りまで)が不参加となるのだ。

金曜日の夜のバンクーバー、、こっそりの単独行動だ、、

酒飲んで美女鑑賞とカジノに行く計画なんだから、それを差し置ける案件でなければ、皆勤賞を袖にする筈が無い。

そうよ、私が一番弱いやつ、、

女性との密会だ。

これも、10数年程の時が過ぎたか、昔一緒に仕事していた同僚だ。

なんと、バンクーバーに住んでいるのだ。

当時、仲良くしていた同僚が二人いたが、一人は男性が振り向く程の美人で、もう一人が今回密会する、、普通の女人、、いや、見ようによっちゃ、、

ま、続けよう。

とにかく仲の良かった昔の仲間、再会はカナダ•バンクーバー、クリスマスも近い、

気分の高揚感がハンパ無い。盛り上がりは最高潮だ。

待合せ時刻は、18:30分、

指定の場所には既に来ているが、ちと寒い、、いや、この高揚感を悟られると今夜の立ち位置が決まってしまう、、

ダメだ、時間を潰そう、、

普段は既に閉まっている通りの店舗もクリスマスセールでまだチラホラ開いている。

よしッ、この本屋にでも入って暇を潰そう。

ここで、女性読者に説明をしておきたい事がある。男性は、10歳ぐらいになると、朝、昼、夜、時も構わず、訳もわからず、ミドリガメ君が動く事がある。

そんな時は、数字を数えてみたり、フランシスコザビエルを思い出してみたり、さまざまな工夫を凝らして、荒波を鎮める。

要は、ミドリガメ君の暴走を止める術の事だ。

当時、既に中年域を自覚していた私は、ミドリガメではなく、心の高揚感を落ち着かせる為に、本屋を選択した訳だった。

この選択は大正解で、目には大量の英語が飛び込んで来て、高揚感、興奮感は、あさっての方向へ飛んで行ったし、股間は何かにブルってか、うんともすんとも言わなくなった。

そうこうしている間に、時刻は、18:35分、計画どおりだ。

場所に向かったが、

ん、待ち人おらず、、

それから待つ事、15分、

お待たせ〜、と

懐かしい声が聞こえた。

久しぶり、、

チュッってして、ハグしてみた、ちょっと長めの、、

10数年の時を経て、再会した二人。バンクーバーでの再会に不思議さを感じながらも、尽きる事の無い思い出話しに花が咲いた夜であった。

さてさて、今日は、なんの話しだったか、、もの凄い話のそれ方に我ながら感心する。

本題は、、そう落とし物、、

ん、文字数大丈夫か、

ま、行って見よう。

どうなったかを秘密にするから密会と呼ぶわけだが、楽しいひと時は終わり、皆に合流すべくカジノへ急ぐ。

到着は、23時を幾分過ぎていただろうか、、

ほろ酔いな皆を探すが、大半がマイナス状態。ルーレットを眺めすぎて悪酔いしたとトイレに行くやつ、このままだと家族へのお土産がメイプルクッキーになってしまうと泣きかけのやつ、皆切実な感じだ。

よし、ならば、こちらは未だほろ酔い加減、皆のマイナスイオンを俺がプラスイオンに、、

赤、一点張りだ!

 

有り金全部、300カナダドル程あったか。

クル〜、クル〜、クルクル〜〜、、カラン、カランッ、

黒!

オフコース!(of course!)

思わず、こんな英語が滑り出た。

翻訳1: 当然だろう!

翻訳2: そうなると思っていたんだよ!

受験生諸氏、これ試験にでるからな。

次の瞬間、席を立ち、現金引き出し機の列に直行だ。

急げー、

んッ、珍しい、

金曜日の夜、24時前となれば、通常ATMの前には人の列ができている筈、、

故障かぁ、

取り敢えず、前進、

ATMの画面を見るが特段何も問題は見受けられない。

ふんッ、なんだ、空いててラッキーと言う事か、まあ良い、こっちも気が急いている状態、

んー、取り敢えず、500ドルだ。

ピポパポピーッ、ちちんぷいぷい、、

パラパラパラー、、、、金を数えている。

ん、蓋が無い。

お金は何処かなあ。

このマシーン、現金取り出し口が下の方、膝の少し上ぐらいに付いている、見にくいな。

おん〜やー、出てこないゾ、

英語では、こんな時、なんて言うか知ってるかい?

Shit! (糞ッ)

みんな、テストに出るからな!

おいおい、どうしたATM、

叩くか、

んー、待てまて、ここはカジノだ、何かあれば直ぐに警備員が飛んでくる。

それはゴメンだ。

優しく、下の方をゴソゴソしてみた。

あら、この感触、詰まってる感じだな、どれどれ、、

蹲(しゃが)み込んで、覗き見る。

グワッーッ、ほへへ、へー。

ぎっしり詰まってた。

ヒック、ちょっと酔っぱらい気味になり、全部ポケットに突っ込んで、何気なく歩き出す。

ズボンのポケットに突っ込んだ己が左手で枚数を確認してみた。

ひー、ふー、みー、よー、、ミドリガメ、こらッお前の出番じゃない、いつ、むー、、、

あかん、トイレの個室で確認だ。

数えてみると、なんとッ、

1500ドル近い。自分の出した500ドルも混ざっているから、お布施は1000程か。

思わずタイのATMの記憶が蘇る。

どこのどなたか存じませぬが、ありがたく、、

↓南無阿弥陀仏

おまけ、

明日からミャンマー行きなんだが、続きどうしましょうか、、

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