不可思議事件簿、私は、アジになりたい。
時間は、平等に過ぎて行く。
なのに、老人達は時間があッと言う間に過ぎて行くと言う。
少し前、この件に関して、チコちゃんが教えてくれていた。
子供の頃は、様々な出来事が新鮮で未体験。
人は、未体験でエキサイティングなものに興奮し、時間の経過を長く感じるらしい。
確かに、何かを待っている時は、すごく時間が長いものだ。
お年玉、誕生日、クラス替え、クリスマスプレゼント、大好きな女の子に逢えない夏休み、等々。
私にとっては、なかなかやって来ない昼休みと、始まると、あっと言う間に終わる昼休みが、
同じ時間の経過とは、絶対に信じたく無い。
更に、好きな人と過ごす時間は早く流れ、つまらない会議や研修、3度目となる先輩の過去の話し。
これらの時間が同じなら、俺はグレる自信がある。
特に、殺人的に効果抜群の研修、講義は、睡眠導入剤としての研究を進めていただきたい。
説き明かせれば、ノーベル賞間違いなしだ。
話しを戻そう。
どんなに楽しい時も、また苦しい時も、その1秒は同じなのはわかっている。
楽しい体験は、人を更なる快楽へ追求する欲望の化身となし、
その喜びを知った時、古い楽しさは消えて行く。
しかし、嫌な思い出は消える事が無い。
雪の様に降り積もり、一旦は固まる事があっても、また、溶け出してくるから厄介だ。
これも記憶力が原因だと信じている。
ただ、私は知っている。
その解決方法を！
皆さんは、家に水槽をお持ちだろうか。
無ければ、水族館を訪れていただきたい。
中を見ると、綺麗な魚達が、それは優雅に楽しそうに泳いでいるのが見て取れる。
しかし、お気付きであろうか。
その中で、何故か、せっせと泳ぐ魚のいる事に。
その個体や群れは、
右から左へ、グイグイッと、
Uターンして、今度は、
左から右へ、ググ、グイーンと泳いでいるのだ。
決して、スイスイーッと言う感じでは無い。
どうして、あんなに一生懸命に泳いでいるのだろうか。
何かから逃げる必要も無い。
サメでさえ、お腹一杯で襲うことを放棄した穏やかな世界だ。
なのに、なぜ、どうしてだろう？？
その魚達を良く見ると、ある事に気付く。
それは、アジやマグロの様な青魚だという事だ。
一般には、回遊魚としても知られている。
実は、彼ら、
記憶力が短いのだ。
長さは、たった8秒らしい。
10秒前の記憶は、スッカラカンなのだ。
楽しい記憶、苦しい記憶、腹が減っている記憶さえ、直ぐに無くなるのだ。
だから、水槽の中を行ったり来たりする事に飽きない。
8秒、
Uターンした瞬間ッに、
うぉッ、
どこだ、ここは？？
キョロッ、キョロ、👀ッ
今までに、見た事も、来た事も無い、龍宮城🏯のような景色が広がっているのだ。
うぉーッ、すっげー、
見た事ないぞ、あんなところに、可愛いクマノミさんや、美人なミノカサゴ女医さんだ。
そして、また、次の8秒、
なんだーッ、
急にサメ🦈じゃーないか。
キャーッ😱、ジョーズ。
まあ、こんなエキサイティングらしい。
ちょっと、忙し過ぎるが、嫌なことを忘れさせてくれるなら、良しと出来るだろう。
アジやマグロのように、短い記憶の種族は、とても幸せそうで羨ましい。
反面、だいたい嫌な奴は、つまらない事に対して記憶力が良い。
特に、上司、奥さんと言う種族に多く感じるのは、私だけだろうか？
もし、違うなら、
私は、アジになりたい。
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