小さな部屋の中に、正しい姿勢で待つ女がいた。
どうぞ、こちらへ。
係の男に誘導されて狭い通路を奥へ進むと、そこには小さな部屋があった。
女は正して姿勢で待っており、やわらかな口調で、”緊張なさらないでくださいね”と、声を掛けてくれた。
俺の方を見る視線が熱い。
上着を脱いでと促され、
女は、緊張をほぐすかのように、敏感になっている肌を、2度、3度、と触れてきた。
ヒンヤリとした手の感触が堪らない。
ゴム、使いますねと念を押された。
ここの利用は、初めてでもないのに、
あ、はい。と緊張が走る。
少し捲り上げて、、
こうですか？
いえ、もう少し上まで、
あ、はい。
女の手が触れる度に鳥肌が立ち、目の前の行為の映像が脳を刺激する。
うッ、
小さく声が出てしまった。
最初は、寸止めだった。
ちょっと、、と言いながら女は体の向きを変えて、
更には右手を重ね、反らせてみてッと要求してくる。
いくわよ。
ここでしょ、ここなんでしょ、
パンパンパンと、リズムよくやられるとヤバかった。
分かりましたから、もうこれ以上、焦らさないで、、
握りしめた手のひらの中に汗が滲み出てくる。
痛くしないから、大丈夫よ。
お願いします。
女に優しく耳元で囁かれると、緊張が少し緩んだ。
その瞬間だった。
ズボッ、
う、下唇を噛んで少し上を向いてしまった。
諸氏、もうお判りだろう。
先日、白衣の天使に血を抜かれた時の正確な描写だ。
お疲れ様でした。
結果は、30、40分で出ますから、表のソファーでお待ちください。
ありがとうございました。
サービスが終われば、非常に事務的な言葉遣いになるのはどこも同じかと苦笑いした。
金を払い、身体から液を抜くという行為が済んで、
”ありがとうございました。”と言われることもあれば、
”ありがとうございました。”と言うこともある。
ただ、いずれの場合も、次回の予約を入れる点だけは同じであった。
それも、お気に入りの相手に、、
★★★
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