衝撃事件簿、ヌーディストビーチ、最終報

行き当たりばったり。

大概は、ええ加減な下準備を得意としている私だが、今回は意気込みが違っていた。

旅の出発前、これ程準備に集中した事はこれまでに無かった。

それもこれも、全てヌーディストビーチと言う文字列を目にしたからだ。

彼女とのデート、それも海外旅行、、現代社会に置いてもかなりイケてる状況では無かろうか。

それなのに、我が愛しきドーパミン製造機、大脳が爆走して蒸気をシューシューッ、吹き上げっぱなしだ。

青〜く広がる空と海、浜辺に腰を下ろせば、そこには、、

ハ〜イ、どこから来たの?

私達は、イタリアから、それからあちらは、スペインのお友達なの、、

うッひょう、こんな会話で始まって、しばしブロンド髪が風に靡(なび)く姿を、眼(まなこ)のキャンバスに写し込む予定だった。

状況によっては、ランチにまで雪崩れ込む計画すら描き切っていた。

しかし、現実は厳しい。

世の常とは言え、初めてのヌーディストビーチで目にしたものが、パンチの効いた熟練ハニーだ、、神の所業とて、とても受け入れられるものではない。

しかし、しかし、捨てる神あれば拾う神ありだ。我が家の守護神さまが何かしてくれたのか、ここから状況が一変する。

きっと、海外の、海の、いや、ビーチの神様に少し握らせておいてくれたのだろう。

我が家の年次白書にも、地獄の沙汰も金次第ときっちりと書き記してある。きっと代々伝わる技の一つなのだろう。

何はともあれ、後方より素足の擦れる音が近寄っている。

ザッッ、サッッ、シャッッ、ザッ、ビーチの砂を少し蹴り上げる音も混じっているか。

同時に、話す声もだんだんと大きくなって来た。

間違いなく、美人達の楽しげな会話が、ガンガン近付いて来ている。

ちくしょーッ、血管の至る所で脈が戻らずに次を打ち出して来やがる、、

ヌード、ビーチ、ビーチ、ヌード、ビーチにビキニ、ソレも無しー、、いかんッ、過ッ、過血圧状態だ。Max!

前回、”おまけ”のコーナーで、日本語の訳を付けて置いたが、実は、彼女達の会話は英語ではなかったのだ。

あれは、あくまでも私の想像、妄想した翻訳だったが、しかし、それが、今、

よ、よこを通り過ぎて、左前へスッと腰掛けたから現実となった。

しかし不思議だ、思い出していただきたいが、この誰もいない広〜いビーチに、最初に座ったのは私だ。

その後、暫くするとその私を目印に熟成トリオが右前に鎮座。

続いて、女の子達が、、左前に座った、、

とにかく感謝だ!

しかし、これは使えるな、人のいないビーチに一番に座ると、そこが目印になって人が集まって来る。

そうか、

そう言えば、子供の頃、田舎へ昆虫採集に行った時、真っ暗な中、パッと懐中電灯を灯すと、たくさんの虫が集まって来た記憶がある。最初に、蛾がたくさん来て、それからカブトムシだった。

んー、我ながら酷い例え話しだ、、

ま、本題へ戻そう。

満を持して登場となった女の子達は、正にこんな感じ、👇👇👇

これは本当だ。

フランス人の20歳そこそこの二人組、、

ビーチタオルを敷いて座って、間髪入れず、上着を脱いで、ビキニの上を外して、こちらに向き直って、、

お分かりか、熟読諸氏、

頭が、歩いて来たホテル側、足が海の方で、うつ伏せ状態、

両手は前で組んで、頬を乗せている。

もう一人は、ココナッツオイルを塗りだした。

よろしいか、これはフィクションでは無いのだ。私の直ぐ目の前で起こっている出来事なのだ。

私は、先程からずっと三角座りで、両手は膝の前で組んでいる。

極めて行儀良く座っているが、目は遠くの海を眺めている振りをているだけで、視野は目一杯横に広げている。

加えて、出発前に仕入れたサングラス🕶を掛けているのだ。

当然、ヌーディストビーチに行く時の必須アイテムだと言う情報は出発前に入手済みだった。

いつも思う、仮に、もし、

己が容姿が、こんなだったら、サングラスなどまったく必要がない筈、オイラの人生も、きっと、、

その願望がこちら👇👇👇

おっと、時間は大丈夫か、そろそろ現実に戻らねば、、

名残惜しいが、これ以上の展開は望めまい。サングラス越しではあるが、こうして己が眼に美女を焼き付けただけでも儲けものだ。

んー、しかし贅沢は言わん、三日だけ代わってくれんかなぁ。

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