ルーティーン【昼の報】

ルーティーン

それは、サラリーマンの日常の奥深くに流れる音楽のような存在で、決してそのリズムを崩してはならない。

朝、出掛ける、ほんの一瞬前、鏡に映る己がネクタイ姿に一礼を施すリズムが如く、正しく美しいものでなくてはならない。

前回お届けした、ルーティーン【朝の報】。

筆者の想像以上に反響があり、如何に世のサラリーマンがルーティーンを大切にしているのかを再確認する事が出来た次第だ。

特に、細部にわたる極々プライベートな繊細描写に文字数を割いたのが正解だった。

ならば、期待に沿うよう今回も更に踏み込んで考察してみようではないか。

よーしッ、いざ、参ろうか諸氏。

お覚悟、よろしいか。

開幕—。

【昼】

サラリーマンにとって昼のルーティーンと言えば、ランチに向かうその作法に他ならない。

ただし、月末だけは例外が存在し、男女の別なく「抜(ぬ)き」「集(たか)り」と言った究極技を出してくる輩がいるから注意が必要だ。

日替わりランチか、お弁当か。

これがパターンの分かれ目で、当然のように個性的なルーティーンが散見される。

まずは、弁当組。

会社の大きさや業務(工場勤務か内勤か)にも左右されるが、目撃した一例を紹介しておこう。

この方は、屋根のある内勤者で、事務作業暦15年を超えるベテランさんだ。

ランチは60分の定時制、開始は12:00ピッタシとなっている。

彼女のルーティーンは、まず、机(つくえ)右前方に置かれた小型置時計に視線を投げる事から始めるルーティーンを導入されている。

ちなみに、この置時計は、大手保険会社の外交員が販促品としてくれたものだが、一応名の通ったメーカーの一品で物は良かったから愛用しているものだった。

時刻が、デジタルで11:55になると、よしッと一声、己が午前中の業務成果に満足の区切りをつける。

そして、間髪入れず、水場の方へ一瞥をくれて、空き状況を確認する。

何を、確認するのか? 言わずもがな、電子レンジである。

零細企業の水場には、電子レンジは1台設置が相場だ。そんな、2台も3台も置けるようなら、会社はとっくに大きく成長している筈である。

ちなみに、このベテランさんのルーティーンの陰で、人知れずもう一つの裏ルーティーンが進行されている事も忘れてはならない。

それは、新人さんのルーティーンだ。

零細企業では、新人が入社すると中堅どころが一般新人研修とは別に、事務所内の鉄板ルールを養育指導することになっている。

今回の場合は、前出のベテランさんが顔を上げたら、待て(Wait!)の合図だと教わるのだ。

彼女と電子レンジの取り合いなどあってはならない所業の一つで、とにかく待ての一手だと教えてくれる。

正解だろう。

こんなところで、彼女のルーティーンに水を差すようでは、午後からの業務が支障を来す。

会社で15年も真面目に働いていると、大概の場合において、一つや二つ日常業務のボトルネックを持たされていることが多い。

簡単に言えば承認印の事で、誰しもが通過しなければならない関所的役割のことだ。

仮に、そんなベテランがヘソを曲げれば、当然のように部外者すなわち営業職員にお鉢が回って来る。

そうでなくとも、日々ええ加減な事務処理をしてストレスを提供しているのだ。

そこを、なんとかかんとか宥(なだ)めて透かして、時には貢物や誘い出しをしてバランスを取って来たのだ。

一つ間違えば、臨界点を超えた怒りのエネルギーが暴走して、未承認、未承認、未承認ッ、と嵐の様子を呈するのである。

こうなると、まずその日は収まりが付かず、周りは慌てふためき、

誰だ、ベテラン様に悪さをしたやつは、、、なんて犯人探しが始まるのである。

一般の新人なら、この時点でグロッキー。気弱なら一気に病院送りになるほど精神的に追い詰められる。

だからこそ、中堅は裏ルーティーンが大切と指導するのだ。

さて、日替わりランチ組。

彼らにこれと言ったルーティーンは、見られない。

時間にも不正確で、12:00でも、13:00でも、ほぼ同じ会話を繰り返し、

どうする? どこ行こっか?

この2つの時間帯、店の込み具合が全く違うのに、

耳にするルーティーンは、この2つの問ダケなのには驚く次第だ。

ちなみに、営業職は、その業務の性格の通り、行き当たりばったり系が多いから、ランチ開始の決まったルーティーンが見られない。

しかし、何かあればカツ丼を食べる、ラーメンの箸は口で咥えて、コショウはココに、ネギは多めで、梅干しは2個まで等々、独自のルーティーンを導入している諸氏が多い。

これはこれで、目撃すれば心休まる一時である事を付け加えておきたい。

基本、私はルーティーンが大好きなのだ。

今少し、サラリーマンのルーティーンを別角度から覗いて見よう。

記憶に残る者の中に、外食チェーン店をリスト化し、ローテ(ローテンションの略=順番)をエクセルで管理していたやつがいた。まずまず尊敬して良い人材だ。

しかし、その上を行くやつは、簡単なプログラムを書いてソフトを作り、その日の店とメニューをパソコンで抽選選択できるようにしていたから驚きだった。その技術、どうして仕事に生かさないのかに疑問は残るが、かなり尊敬できる人物だ。

おっと、賢人諸氏の中には今、懐かしい思い出を掘り起こされた方がおられたのではないだろうか。

そうなのだ。やり方は違えど、私達もランチを抽選選択していた時代があったのだ。

時は昭和、六角鉛筆の後部を2センチ程削り込み、日替、カレー、蕎麦、ラーメン、焼き魚、ランダムと言うような6択に仕上げ転がした、あの思い出の事だ。

変わり種は、最後に掛かってきた電話番号なんかを利用しているハイテク野郎もいたものだ。

この手の仲間には、会社のビルを出て初めて見た車の番号でその日のメニューを決めていたギャンブラー達も含まれる。

ありゃりゃ、昼もなかなか面白い。それが証拠に、かなり文字数を食ってしまって夜に行けない感じだ。

まあ、焦(じ)らし、焦らせ、寸止めは得意中の得意。

あっはん、うっふ~ん、の【夜と夜の後の報】は、次回以降とさせてただきましょうか。

つづく、、

★★★★

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