不可思議事件簿、家電の気持ち
先日、新しい家電の入居が決定した。
おめでとう!
これから家族と共に生活することとなった洗濯機さんだ。
流石に家族の一員を決める行為、その選考会は慎重に行われる。
審査項目は多岐に渡る為、決定が深夜に及ぶ事もある。
まずは、現状把握と候補者の能力査定。
イギリス、007アビリティチェック並みに厳しい審査と言われている。
担当は、M、
マザーだ。
ガクブルッ、
各家電が、入居以来初めて経験する緊張感だ。
対応を誤れば、一気にお払い箱だ。
症状にもよるが、我が家の審査官Mは、かなり厳しいと評されている。
審査と同時並行で、新聞広告による予備チェックが入り、パンフ取得までは、ルーティーンだ。
Mは、キャンペーンに滅法弱い。
家電がガクブルのも、この親元店の性格を知り尽くしているからだ。
会員割引ぐらいは凌ぎ切る自信がある5年物でも、季節の変わり目キャンペーンには、膝が揺れる。
10年物達は、既に覚悟を決めて、その存在を消すかの様に心静かに時を待っている。
この度、めでたく入居となった洗濯機さんとて、二次選考を潜り抜け、本家のモデルチェンジキャンペーンの助けを借りて、ライバルを蹴落としなんとか栄冠を掴み取ったギリギリ者だ。
そして、その影で10年間、毎日毎日、頑張ってドラムを回し続けた前任者がその任を解かれたのもサブストーリーだ。
現実は厳しく、その労を労われる事なく、下取りキャンペーンの引き換えとなり我が家を後にする。
心ある私は、家族を代表して、手を合わせ、丁重に見送りさせて頂いた。🙏
新任の型式は一つ前、一時はコーラスラインのラインダンスが如く、最前列で、我が物顔で、客の視線を一身に集めていた型式だ。
同期の仲間は、カラフルな色や模様を好まれて、次々と子連れのヤング夫婦に引き取られ、最後まで競い合ったのが、ブラックマン。
白と黒、プライドの戦いだった。
そして、今日、ついに、
ブラックマンに一歩先んじて、行き先が決まった。
仲人の中村さんはベテラン店員で、色白の私をいつも褒めてくれていた。
年間360日、連日稼働、休みは盆と正月のみ。
誠に厳しいが、長年の付き合いのあるMさん宅、
頑張って来いと、台車に乗せてくれた。
入居初日、3度回った。
水詰まり、操作ミス、色々ありながらも、何とか初日を乗り切った洗濯機さん。
Mは言った、合格です。これから、頑張って働いてもらうから、よろしくね。
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