会議で、あのテクニックが成功しました。

会議。

好きか嫌いか。

さあ、どうだろうか。

自分がリーダーなのか、ただの参加者なのか。

資料が必要なのか、必要ないのか。

短いのか、長いのか。

朝なのか、昼なのか。

いろいろ状況が違うから、正直一言では言い切りにくい。

しかし、それでも、あえて選ぶとすれば、私は好きな方かもしれない。

好きと答える理由は、会議に出ると一日にメリハリが出るから。

いや、それよりも、やはり時間を大きく食いつぶしてくれるからと私なら答えるだろう。

もちろん、あなたが優秀で一人当たりの労働生産性において平均値以上と自負されるなら、会議なんて「百害あって一利なし」と言うかもしれない。

正論であり、反論は一切ない。きっと、そのような方々には「無用の長物」となるのは明らかだ。

だがしかし、当方の様に一日の行動や日常というものにアクセントを求めるタイプは「百害こそが面白い」と頭が考えてしまうのだから仕方がないではないか。

まあ、この議論は五十歩百歩だから一旦横へ置くとしよう。

私とて、大して役に立たない誰も読まないような配布資料を準備させられるのは御免こうむりたいのだ。

しかし、それとて、会議が好きという以上は上手くこなして対応しなければならない。

何故か、

もちろんそれは、

ほんの少しの努力で、この身を拘束してくれるからと言う他ないだろう。

考えても見て欲しい。

お給料の出ている有給勤務時間内に、この身を会議が拘束してくれると言うのだ。

どうして嫌いになれようかと言う意見の持ち主なのだ。

要は、サラリーマンの至福の時が向こうから歩いてやって来るのだから嫌いになる理由がやはり見つからない。

1、その席に座りなさい。←仰せのままに。

2、資料を配って説明しなさい。←以前に配られた資料の復習作業ですね。←サボっていた人ほどじっくり聞いてくれる。

3、私の意見を聞きなさい。←なんだって聞きますよ。もっと拘束して、椅子に縛り付けて、お願い。

4、少し尋ねるが。←どうぞ、どうぞ、長めにどうぞ。←サボっていた人ほど質問が多い。チャンスゾーン。

5、会議終了、もしくは退室命令。←大手を振って、いや~いろいろ聞かれて大変だったよ。

6、お疲れ様でした。←会議が嫌いなやつらが労ってくれる。

どうだろうか。これで数時間分の給料が貰えるのだ。

日常業務の中で、普通に入手したデータ、作成したデータ、拾ったデータ、そんなものを、これはッ、ひょっとして使えるかもと一手間掛けて保管しておくダケの事なのだ。

要は、突然の会議で使いやすいように片付ける癖をつけておくダケで良いのだ。

正直、なんのテクニックも要らない。

難しいのは資料のまとめ方ではく、どちらかと言えば、季節に合わせて近々どんな会議があるのかを想像できる能力があれば良いのだ。

能力と言っても、上司と一緒にランチに行ってりゃ大体わかる。

その情報さえ捕まえられれば、資料作りなどはそれほど難しいものではない。

開催される会議が想像できれば、参加メンバーもおおよその検討は付けられるし、分からなければ聞けば済む。

その顔触れによって資料の内容も自ずと決まるだろう。

この時点で、なるほどッ、と合点がいっていないあなた、無理に会議好きになる必要は無い。

それでも、有給勤務時間の強制的拘束力に魅力を感じるならば、去年の会議の議事録を見てみよう。

大概は、同じような時期に、同じような会議をやっている筈だ。

えッ、去年の議事録? と考えたあなた、小規模な会社なのか。

でも、何とかなるかもしれない。

議事録の無い会社なら、きっと今回も大した会議じゃないだろうから資料も汎用版で事足りる筈だ。

器用そうな女子か、年下の部下にランチでもおごってググってもらえば対応可能だろう。

しかし、議事録のあるような会社に勤めながら、昨年の議事録へアクセスできないあなた、サボりすぎだろう。

もしや、本当は会議に呼ばれていないのではないだろうか。大丈夫か。

さて、今回は会議についての考察というよりは、会議が好きか嫌いかを諸氏と共に考えてみた。

答えが出ただろうか。

以下は、なんの参考になるか分からないが、急遽サブリーダーとして会議を任された時に使った奥義を一つ紹介して締めくくっておきたい。

★★★

一か八かの賭けだった。

ピーンと張り詰めた重い雰囲気をパーンとブレイクするには、勝負に出るしかなかった。

そうかッ! 分かったぞ。 

きっと、これで行けるかも、、そうか、、

ただちょっと、、、いや、待てよ。

今回私は、出来の悪い上司が抱えるプロジェクトのサブリーダーにされてしまったのだった。

上司はプロジェクトリーダーらしく、会議が始まって早々に腕組をして深々と考える素振りを見せている。

しかし、何も考えていない筈で、あの頭の中が空洞なのを私は良ーく知っている。

きっと、早く会議が終わらないかなと考えているだけだろう。

私も、この会議は午前中にはケリを付けたかった。

長い会議になる事は予想していたが、必要以上の有給拘束は望んでいない。

無言のリーダーではあったが唯一の功績と言えば、部下の忙しさを考えずに優秀そうな面々をこの会議に集めた点にあった。(ある意味優秀なのかもしれないが)

人間には、条件反射という癖がある。

張り詰めた空気、重い雰囲気、緊迫したムードなどの緊張を感じると、人間は動きを止める。

そして、その緊張が解れるように、誰かが声を出したり動き出したりすると、つい釣られて同じ行動をとってしまうと言うやつだ。

今回、私が勝負に出た時が、その瞬間だった。

決して妙案は思いついていなかった。

しかし、残り時間が少ない。

サブリーダーとして、この会議をまとめてしまわなければならなかった。

資料内容の数字は頭に入っているし、これまでの経緯も十分に熟知していた。

しかし、この売れ行きの悪い商品に新しい販売促進のアイデアを見つけるのは難しい問題だったのだ。

従って、会議をリードしつつ参加者の頭の動きを推し量ってタイミングを待っていた。

今少し時間を与えて考えさせよう。

皆の脳の回転が上がってきている。

それが証拠に、左右、そして上下に動いていた頭が止まり、視線が一点に集まり掛けている。

コイツらはそれなりに優秀だ。

そろそろ、それぞれに意見をまとめて来ている筈だ。

そして、数人が顔を上げて何かを言いたそうになった、その瞬間を狙った!

そうかッ! 分かったぞ、、と声を出したのだった。

すると、どうだろうか。

彼らの幾人かも、意見をまとめたくてうずうずしていたのだろう。

私の言葉に押されるように、やっぱりそうですよねと、条件反射を見せたのだ。

(よかった、汗が出るぜ。)

んッ、○○君、何か気付いたようだな!

それから、○○君も何か言いたそうじゃないか。

よしッ、パンパンッ、手を叩いて、みんな聞いてくれ。

そろそろ結論の時間だ。

どうやら、○○君と○○君は、アイデアに辿り着いようだ。

ちょっと、聞いてみようじゃないか。

じゃ、○○君から、手短に行こうか。

えー、はい、では申し上げます。

★★★

これは、あくまでもギリギリの成功例で、再現力があるかどうかは分からない。

ま、毎回こんな一か八かでやっていたら、私だって会議が嫌いになってしまうだろう。

しかし、いざ、という時に一回ぐらいは使えるかもしれないから覚えておくのも一案だ。

長年に渡って会議を好きでいるのは難しい。

しかし、データ拾いさえ上手く出来れば決して嫌いになる必要なない。

どうだろうか、季節はそろそろ秋じゃないか。

たまには、山へ出掛けて栗や銀杏拾いから練習してみてはいかがだろうか。

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