海外事情、ニュージーランドで覚えたアールグレイ(前半報)
私の朝は、ゴールドブレンドで始まることが多い。
長年、愛飲しているネスカフェの名品だ。
そして、仕事を始める2杯目は煎茶を嗜むことがルーティーンとなっている。
おっと、そう言えば昨日茶壷を空にした記憶があるぞ。
今日は、新しい袋を開ける日か。
ごそごそと水屋を探っていると、ほー。
アールグレイが出て来た。
どこか、外国のホテルに置いてあったのがをガメて来たのか、購入の記憶はない。
まあ、「此処で会ったが百年目」と時代掛かった台詞を紅茶に投げ掛け、
いざ、熱湯を注ぎ込んだ。
ジョー、、
その早業に観念したか、年代物(いつ持ち帰ったか記憶にない)のアールグレイは大人しくポットの中で円を描くように逃げ回っている。
数分後、ついに観念したようで、ポットの底でぐったりと横たわっている。
このままでは、香りが強く出すぎる。
命綱のようにポットに垂れ下がる白い紐を手繰り寄せてやるとどうだろう。
紐はその横たわった衣(ティーパック)を見事に引っ張り上げたのだ。
そうよ、この香りだ、と感じたところで、バッと古い記憶が反応し始めた。
あれは確か、2000年になる数年前の事だったから彼此(かれこれ)25年の月日が流れたことになるか。
時のうつろいとは、何と早い事だろう。
実際、今年ももう五月かという言葉が口から出るのだから、25年と言えどもすぐに過ぎるのは仕方のないことなんだろう。
当時、私はニュージーランド・オークランドの地あって、体にあたる風の一流れすら外国だなあと感じながら暮らしていた。
目的は、英語の勉強の総仕上げ。ここでの一年の暮らしを最後に、英語を学ぶ側から使う側、すなわち英語力を使って稼ぐ側に立つことと定めていた。
この目標、昔の自分からはとても想像もできないほどに壮大なものである。なんせ、こちとら英語成績1の赤点野郎だったからね。
ま、そのことはひとまず置いといて本題だ。
オークランドでの生活が2か月ほど経ったころか、当時暮らしていた一軒家のシェアーハウスで、ホームパーティーが開催された。
この時点での私の英会話力は、ぎりぎり話せるって感じだった記憶がある。
いわゆる、アッハン、ぅッフン、OK、YES、みたいな言葉で繋ぎ合わせるパッチワークイングリッシュだったのだ。
20~30分も、英単語を繋ぎ合わせていると脳みそが悲鳴を上げて逃げ出したくなってきた。
ピンポーンッ、
Oh-w, someone is coming.
一応、私もシェアーハウス側の人間、お出迎えせねば。
正直、助かった。
あのままだと、ちんぷんかんぷん会話に相槌を打ち続けて、最後にあなた理解している?みたいな言葉を掛けられ、ショックで爆死のパターンだったはず。
チリン、チリーン♪
このお家、少し年代物で玄関のドアにベルがぶら下がっていて、ドアの開閉と共に外国らしい音がするのだ。
Hello! Welcome!
ドアを開けて挨拶をした瞬間、キュンッ💛
美人だ。
それもアジア系。
一体、誰の友達かな、、
まずは、お招きせねば。どうぞどうぞ(Please come in!=一応英語で言いました)
すると、Thank you 、Thank you、と二人の美女がそれぞれに返答して家中へ入ってくる。
すかさず、彼女たちの脱いだコートを受け取って、コートラックに掛けてあげた。
私から見て右側の好みの方が、
I am Emi. と自己紹介。
ほー、えみちゃん、何人だ?
もう一人の好みの方も、
I am Naoko.
なるほど、日本人ね。
ま、立ち話もなんだから、ささ、中へ中へ。
さて、どうしよう。自己紹介は英語でしたものの、この後は、日本語にするか、、
どっちでもええことを、このときは真剣に悩んでました。
あ、いかん、いつものごとく話が逸れて来たー。
紅茶の話はどこ行った。
ま、時間はあるから、ゆっくり行こう。
つづく、、
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