海外事情、バリ、ロンボック島、第七報、究極の値段交渉
ロンボックでは腹をやられ、バリでは金をもぎ取られ、踏んだり蹴ったりな旅に思えるが、今やそれはそれで楽しい思い出となっている。
私の知人に、謎の土産屋に身包み剥がれ、拳銃を突きつけられて、ガラス玉に50万円分のクレジットカード切らされて、裸で放置。国境警備隊に発見されて助かったやつがいた。それに比べれば、屁みたいなレベルだ。
ただ、7才にして20人程を率いる天才ゴマダラが腹立たしいだけだった。
到着早々にキツい洗礼を受けたおかげで、少し身が引き締まった。
悔しがってばかりもいられない。残された時間内に、特別ミッションを遂行しなければならない。
私は、海外の置物が好きだ。
特に、人型、動物型がお気に入りだ。
できれば、手彫り細工を所望している。大量生産には、あまり興味がない。
しかし、このミッション、いや、このショッピング、なかなかに難しい。
まず、見つけるのが一苦労。次に、値段交渉がもっと大変だ。
後は、包装が難しいし日本に持ち込めるかも心配だ。
さて、ゴマダラパンチを受けて、懐が急に寂しくなったからと言って、土産物のサイズを小さくする事は、日本男児の名に置いてできる相談ではない。
ならば、後は店のオヤジとの一騎打ち。何とかビジネストークでデカイ一品を入手する必要がある。
ごめんなさいよ。
一件のバリ島郷土品土産の並ぶ店へ足を踏み入れた。
ひと通り土産物を見て回り、一体の人型に当たりを付けた。
ギョロリ。
ん、
誰かの、視線か。
まさか、ゴマダラじゃあるまい。
違うな、奴は第一攻撃隊のはずだ。店の中へは来ない。
ならば、これは、、
オヤジか。
やっぱりだ。店主がデカイ壺と柱の隙間から、こちらの動きを観察中している。
よーし、ちょっと泳がしてみよう。
興味がある素ぶりをしつつ、出口へ近づき、もう店を出ようかとした、その刹那ッ、
ハロー、マイフレンド。
来ッたーッ!
ん? マイ、フレンド、、少し嫌そうにオウム返しすると、
オーケー、オーケー、ミスターと返して来た。
ま、ミスターなら許してやろう。
ただ、発音からするとインド系だな。
ちょっと、手強い面構えだ。
オヤジとは、くだらない話しをして、いくつかの土産物の値段を聞いて様子を伺ってみた。
まあ、書いてある値札の通りの返答だ。
互いに、手の内を探っている緊張感を感じる。
オヤジが切り出した。
何か、特別なものでも探しているのか。
いや、別に。
ちょっと見ているだけさ。
、、
、、
何気に、床に置いてあった人型を手に取った。
これだ、一発で気に入った。
高さ50cm位の立像で、ひょうきんな顔に羞恥心のない男性シンボルをむき出しに聳(そび)えさせている。
いくらだろう。
オヤジ、これは売り物か?
さすが、インド系。既に電卓を持って直ぐ傍まで来てるじゃないか。
30,000円と紙に書いて渡された。(便宜上、日本円にして説明している)
ふーん、、
ミスター、これでどうだ。
29,000円 と、今度は電卓を叩く。
ファイルプライスだ!とオヤジ言う。
何を言ってやがる。まだ、交渉の入り口にも入っていない。
今度は、俺の番だ。
受け取った30000円の紙の、ゼロを二つ切り取って、
300円にして、返してみた。
カウンターオファーだ。
、、
ぶぁ、はははー、、
ギャハハハーッ、
オヤジが、他の店員も呼んで大笑いし始めた。
何やら分からんが、うけたようだ。
ウワッハハハー、オヤジの笑いが止まらないようだ。
オヤジ、俺の勝ちだろ。ワハハッ、一緒に笑ってあげた。
私は、アジアで値段交渉する時、2桁ダウンから始める礼儀を重んじている。
結構的を得ることも多い。
まして、今回は、インド系だ。当たらずとも遠からずだろう。
案の定、3000円で売ると言って来たので、ハイ、1500円と渡したら、
ちゃんと、包装してくれた。
See you next time my friend.
と、見送ってくれたところを見ると、オヤジ的にもグッドビジネスだったのだろう。
こちらも希望していた人型を購入できて、大満足であった。
少し予定時刻を過ぎた事を気にしながら、ホテルに戻ると、既に、他の3人も戻っており、お土産の品評会をしている最中だった。
各々、気に入ったものを買えたようだがB子の様子がややおかしい。
Aちゃんに、それとなく聞いてみると、
どうしたの?
なんかね、また、ミサンガ買ったみたいなの。
いか程?
100本!
ほーッ、合計200本!
↓南無阿弥陀仏
ドメイン無制限!国内最速・高性能レンタルサーバー【ConoHa WING】
↑これが、トップが勧める最速ポイントサービスだ!