自転車狂騒曲、Uberに負けるな!
このところ自転車にまたがる事が増えた。
先日の事である。
信号待ちから発車して、ものの数秒で先行車にグイッと踏み込まれた。
いかん、置いて行かれる。
焦りからか、こちらもグッと右足に力を入れて後を追った。
200メートルも進んだだろうか、前を行く強靭な太ももが一段ギアを上げてもう一発繰り出して来た。
ビュンビュン。
それも、ケツをスッと持ち上げて、腰を左右に振るやつだ。
あッと言う間にスピードを上げて行く。
無理だ。
あの太ももに、あの腰使い、かなり若い乗り手に違いない。
タイヤも細いロードタイプで洗練されたフォルムだ。
格好いい。
それに対して、こちらは年季と錆の入ったT字ハンドルのオヤジタイプ、旧型だ。
端(はな)から勝負は見えている。
しかし、秋が深まり、朝の冷たい風が首筋にスーッと流れ込むのを感じると、ついつい思い出してしまうのだ。
あの青春時代に、ビュンと走った川の土手のサイクルロードを。
あの通学中の自転車漕ぎは楽しかった。
告白前の、憧れの君の横をすり抜ける度に心ときめかせたあの時の、、、
あぁ、あの股間の感覚が戻らぬものか、、
踏み込むんだッ。
おっと、横道にそれたね、本題に戻そう。
パンッ、と張った太もも君に見惚れながら、どんどんと距離が離れて行くのを受入れて踏み込みを弱めた。
マイペースで行くかあ。急ぐこともない。
時間には間に合うように、十分に早く家を出ている。
年を重ねると言う事は、慎重になるという事。
それで良い。
しかし、あの強靭な太ももさえあれば、もっとこう瞬発力に物を言わせて、ぎりぎりに家を出てと無いものねだりをしてしまう。
しかし、現実はペダルに土踏まずを乗っけて、ギコギコと旧型を進ませるだけだった。
シュッ。
その時だった。
私の青春群像劇の妄想プレイを強烈な疾風と共に邪魔をする輩(やから)が右側をすり抜けて行った。
なんだ!
背に大きなバッグを背負っているが、決して若者風じゃない。
自転車もママチャリに近い形状でサドルも低い。
しかも、ヘルメットの中から覗くカラーには白いものが混じっているようだった。
きっと初老の御仁に違いない。
しかし、ペダルに掛かる圧は立派で、目線にブレもなく、一直線にシュッシュッと進んでいる。
こちらは、完全に戦意喪失状態になった。
恐るべし、白銀ライダー。
よく見ると、その背中には「Uber Eats」の若草文字が小さくなりながら進んで行くのだった。
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